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安倍さんの成長戦略を潰そうとしているのは誰か 犯人は“医療ムラ”

Business Media 誠 6月24日(火)11時36分配信

 少し前のコラムで、安倍首相が成長戦略のひとつとして掲げた「サプリメントの表示解禁」を消費者庁がサクッと骨抜きにしている、という内容を書いたら、知り合いの官僚からクレームが入った。

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 「あの記事は消費者庁を悪者扱いしているが、サプリの規制緩和を潰そうとしている主犯は厚労省や製薬会社という医療ムラ。むしろ、中立にやろうと“親”の厚労省と業者の間で“板挟み”になって苦しんでいる」

 情報を操ってナンボの官僚の話をうのみにはできないが、構造的にはよく分かるし、うなずく部分も多い。というのも、ここのところの消費者庁の立ち回りをみると、確かに社内の派閥政治に翻弄(ほんろう)される“イケてない中間管理職”のようだからだ。

 例えば今、消費者庁は有識者や業界団体とともに、「食品の新たな機能性表示に関する検討会」なんてのを開いているのだが、ここで交わされている消費者庁と有識者らの議論が見事なまでにかみ合っていない。

 中でも真っ向から衝突しているのが、「身体の部位への言及」だ。安倍首相がぶちまけた「世界最先端の規制緩和」では、消費者に分かりやすい形でサプリの機能を伝えるということだったので、業界としては当然、米国のように機能がうたえるものだと思っていた。機能がうたえれば、いかがわしい宣伝文句もできなくなるわけだから、悪徳業者も自然に淘汰される。マジメな業者からすれば、願ってもない話だ。

 が、消費者庁が「それはムリ」と突っぱねた。薬事法のからみで、「トクホに準じた表現」で手打ちにしましょうと持ち出したのである。

 「おいおい、それじゃ規制緩和でもなんでもないじゃん」という不満がワーワーと噴出したのが5月30日の検討会。あまりにもベタな「岩盤規制」っぷりに、一体どこに落としどころをもっていくのかと注目をしていたら、消費者庁がある“アクション”を起こした。

●業者をたて続けに摘発

 健康食品の摘発はこれまで2~3カ月に1業者というのんびりとしたペースだったのに、6月5日にポンポンポンとたて続けに3業者、さらに10日にも1業者があげられたかと思えば、13日にも1業者を摘発したのである。

 「半沢直樹」に出ていた金融庁のオカマ検察官ではないが、「国家権力ナメんなよ、おめーらなんていつでも潰せるんだぞ」という実に分かりやすいメッセージが発動されたというわけだ。

 この問題を追いかけている記者ならば当然、何が起きているのかはすぐ分かる。が、官僚の話を右から左へという人々はのっかってしまう。だから、消費者庁や検討会の委員も務める国立医薬品食品衛生研究所の合田幸広さんからのネタで、こんなネガティブ記事が量産されていく。

 「健康食品狙われる高齢者 うその効果 仕入れ値70倍」(6月11日、朝日新聞)

 「『3カ月で理想の姿に』 健康食品販売会社に措置命令」(6月13日、朝日新聞)

 消費者庁が最も困るのは世間から「安倍ちゃんの成長戦略を骨抜きにするのか!」という批判がもちあがることだ。だから先手をうって貶(おとし)めたい連中のネガティブな印象を広めておく。プロパガンダの基本のキである。

 ご存じのように、この手の謀略にもっとも長けているのは、「官僚のなかの官僚」である財務省だ。「日本の国債が紙くずになるかも」なんて嘘八百をふれまわり、高級官僚の話はノーチェックで掲載するマスコミを利用し、増税キャンペーンを張ったのも記憶に新しい。

 そんな財務官僚と比べると、消費者庁にはまだ国民を騙(だま)すことに抵抗がある善良な人が多いのか、この手のプロパガンダにも粗が目立つ。それがよく出ているのが、13日の摘発と同時に公表された以下のメッセージだ。

 消費者庁は、これまでに、いわゆる健康食品の痩身効果を標ぼうする表示について、景品表示法に違反するとして、5件の措置命令を出しています。今回、これら措置命令で問題となった広告表現のほか、健康食品に関する専門家の意見等を、「消費者の皆様へ(健康食品の表示について)」(別添)として整理しました。(出典:健康食品の表示について – 消費者庁(PDF)

●ネガキャンにすらなっていない

 表示の規制緩和を潰そうというこのタイミングで、まるでアリバイづくりのように「注意喚起」の体で表示のネガをふれまわる。「監督官庁」がここまでベタなマッチポンプしていいのかしら、と思わず首を傾げてしまうが、「消費者の皆様へ」というファイルを見てさらに目を疑った。

 「1粒飲むだけ! 超かんたんダイエット!?」というキャッチコピーのサプリメントに対して、女性が「?」と首をかしげて、こんなことを言っている。

 「このような広告 本当かしら?」

 だから“このような広告”を変えようとしているんでしょ、と思わずツッコミを入れてしまいたくなるが、このタイミングでこういうビラを配布しようというセンスが分からない。というか、サプリメントに「機能」がうたえるようになれば、「このような広告」も駆逐されるわけだから、厳密にはもはやネガキャンにすらなっていない。とにかくなんでもいいからサプリのネガを出しとけということか。

 昨年、安倍首相が規制緩和を言い出した直後、厚労省の研究班が、市販されている健康食品の約4割に、体内で薬や毒物の成分を分解、排出する「薬物代謝酵素」の働きを促す作用があり、医薬品の効き目を低下させるなんて研究結果を公表した。

 ただ、これは別に目新しい話ではなく、米国でサプリの規制緩和があった時も、似たような“エビデンス”がバンバン医学界から飛んできた。そういう意味では、消費者庁がこんなムチャなネガキャンを仕掛けなければいけない事情もだいたい察しがつく。

 安倍さん、この人たちガチであなたの成長戦略を潰しにきていますよ。

[窪田順生,Business Media 誠]

 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140624-00000016-zdn_mkt-ind
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